2026年のアルミヒートシンクkg単価を決める要素を分解。ビレット価格、押出し、CNC加工、表面処理、金型償却と、中国FOBの標準レンジを示します。
アルミヒートシンクのkg単価:2026年のコスト内訳
結論から言うと:中国のアルミヒートシンクは FOB USD/kg 建てで見積もられ、2026年の標準レンジは 100-500個で USD 11-19/kg、1,000-5,000個で USD 8-13/kg、10,000個以上で USD 6-10/kg です。前提は 6063-T5 の押出し形材に CNC加工とアルマイト処理を施した仕様です。この価格差を生むのはアルミ素地そのものではなく、断面の複雑さ、公差等級、表面処理、そして押出し金型の償却方法です。
kg単価は比較の入口としては便利ですが、意思決定の根拠にはなりません。同じ重量でも、フィン枚数が多くベースを削る必要がある部品と、単純な平板形材では加工工数が数倍違います。重量は材料費の代理指標にすぎず、加工費は重量に比例しません。まず工程範囲を揃え、そのうえで単価を比べる順序が必要です。
kg単価が万能でない理由
押出し形材の材料費は断面積と長さで決まります。一方、加工費は穴数、段取り回数、平面度の指示、ベースの削り代で決まります。したがって「USD 9/kg」という提示は、どの工程まで含むのかを確認しないと比較できません。見積書を受け取ったら、材料、押出し、加工、表面処理、検査が分離して記載されているかを最初に確認します。分離されていれば、数量を変えたときの感度も読み取れます。
押出し・機械加工ヒートシンクのコスト構造
部品価格はおおむね6つの層で構成されます。下表は中国の標準的な押出し+CNC+アルマイト仕様における比率の目安です。工程が重複するため、合計が100%にならない場合があります。
| コスト要素 | 部品価格に占める比率 | 変動させる要因 |
|---|---|---|
| アルミビレット(6063 / 6061) | 25-40% | LME+国内プレミアム、スクラップ比率、再生ビレットを受け入れるか |
| 押出し(金型の稼働費) | 10-18% | 必要なプレス能力、断面の複雑さ、1回あたりの押出し長さ |
| CNC加工 | 15-30% | 段取り回数、平面度の指示、穴数、ベースを削るか |
| 表面処理 | 5-15% | クリアと黒のアルマイト、膜厚等級、マスキング、レーザーマーキング |
| 金型償却 | 0-15% | 金型費を受注数量で割るか、別建てで請求するか |
| 検査・梱包・港までの輸送 | 5-10% | CMMレポート、個別袋詰め、パレット仕様、FOBとDDPの別 |
もっとも誤解が多いのは金型償却の扱いです。金型費を初回注文に上乗せするか、単価に薄く分散するかで、同じ工場でも提示単価は大きく変わります。単価が安い見積は、しばしば金型費を次の発注に先送りしているだけです。比較の際は、初回の着地金額と2回目以降の単価を分けて確認してください。
数量帯別の標準単価
数量が増えても単価は連続的には下がりません。工程が切り替わる地点で段階的に下がります。以下の表は押出し+CNC+アルマイトを前提とした目安です。
| 発注数量 | FOB USD/kg の目安 | 価格を支配する要因 |
|---|---|---|
| 1-100個 | 15-25 | 段取り、プログラム、少量バッチへの金型償却 |
| 100-500個 | 11-19 | 部分的な金型償却、手作業の取り回し |
| 1,000-5,000個 | 8-13 | 効率的な押出し運転、治具を使った機械加工 |
| 10,000-50,000個 | 6-10 | ビレットとプレス時間、専用セルへの移行 |
| 50,000個超 | 5-8 | 材料の契約価格、高速プレスやダイカストが押出しを上回る |
10,000個を超えると、押出しと専用セルの組み合わせが前提になり、材料契約の影響が相対的に大きくなります。50,000個超では高速プレスやダイカストが押出しより安くなる場合があり、この領域では工法そのものを再検討する価値があります。
価格を動かす6つの変数
第一に断面の複雑さ。フィンが高く薄いほど押出し速度が落ち、金型の負担が増えます。第二に公差等級で、一般公差で足りる部品に厳しい指示を入れると検査工数が跳ね上がります。第三にフィン密度。同じ放熱面積でも、フィン間隔が狭いほど金型費と押出し難度が上がります。第四にベースの削り。定盤に密着させる面を削るかどうかで加工費が変わります。第五に表面処理の色と膜厚、第六に検査と梱包のレベルです。CMM報告書の提出や個別袋詰めは、単価に占める比率は小さくても確実に加算されます。
見積前に自社で概算する手順
図面から体積と重量を出し、数量帯のkg単価を当てはめます。次に加工の有無を確認し、ベース削りや穴加工があれば加工費を加算します。表面処理は膜厚等級と色で決まります。最後に金型費を数量で割り、初回に乗せるか別建てにするかを決めます。この4段階を踏むと、届いた見積の妥当性をおおむね判断できます。極端に安い見積は、工程の一部が抜けている可能性を疑ってください。
買い手がコストを落とす場所
典型的なのは、金型費を含む単価と含まない単価を並べて比較するケースです。次に多いのが、量産では不要な公差を試作図面のまま残すケース。三つ目は、梱包仕様を決めずに見積を取るケースで、個別袋詰めや仕切り板の有無で着地コストが変わります。いずれも単価表だけを見ていては気づけません。
よくある質問
アルミ地金価格が下がれば単価も下がりますか?
材料比率は25-40%なので影響は出ますが、加工費と表面処理費は連動しません。値下げ交渉は材料単価ではなく、加工工数と金型償却の整理から始めたほうが効果的です。
kg単価が最安のサプライヤーが総コストも最安ですか?
いいえ。金型費、検査費、梱包費、輸送条件が別建てなら着地コストは逆転します。FOBとDDPを同じ条件に揃えたうえで比較してください。
金型費は単価に含めたほうがよいですか?
初回のみの費用なので、原則は別建てにして所有権を書面で確保します。単価に分散すると、2回目以降の注文でも金型費を払い続ける構造になりかねません。
想定より数量が少なくなった場合、単価は上がりますか?
上がります。100-500個と1,000-5,000個ではレンジが異なり、金型償却の負担も変わります。数量を確定する前に、複数数量での段階見積を求めてください。
STEPデータと2D図面、想定数量をお送りください。工程の選定、金型償却の考え方、数量帯別の単価を1枚の見積にまとめて回答します。


